修理技法

2018年10月28日 (日)

追加メーターのカバーづくり

MPIではいろいろな仕事を行います。

今回は追加メーターを取り付けするための部品のワンオフ製作です

与えられている材料はこちら。これをAピラートリムにくっつけるのです

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アマゾンで売ってるやっすいやつやん

当たり前でうすが、カーボン柄ですからね、ヒョウ柄のパンツはヒョウ柄で、決してヒョウ皮ではありませんのよ。
しかし、形が違う・・・ 

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違うの沙汰ではなく合う部分の方が少ない。

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こいつをむりくり付けるにはあれこれ頑張らないといけません

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3個をいっぺんにくっつけることはできないので、3分割にぶった切ってビスで止めることにします。

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ハゲしい隙間ができるので、スキマには発泡ウレタンを使います。

まさにこの1液の缶スプレータイプ。なかなか便利そう

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発泡ウレタンは出来上がりはかなりキモチ悪いですが、昔はエアロやブリスターフェンダーを作るのに使いました。
ブリスターフェンダーやオーバーフェンダーを作るときは段ボールや板、プラ板を駆使して、ある程度の「型」を作って、ガムテープなどで、目張りをした後、あらかじめ開けておいた穴に、2液を混ぜ合わせた発泡ウレタンを急いで流し込むのです。

急がないと一番下まで液体が行き渡る前に反応し始めてしまい、中途半端に形作ってしまうのです。それくらい反応が早く、凝固し始めるのが速いのです。
また何十倍にも大きく発泡しますから、注ぎ込んだらすぐにガムテープなりで蓋をしないと、ドバーっと溢れてくるのです

今回は「型」を作っていないので、好き放題発泡しまくってこのような感じです。
便利な缶スプレータイプですが、完全に反応しない部分もあったので使い勝手は多少悪いですが、混ぜ合わせるタイプはもっとすごいことになるので、まあ仕方ないかという感じです。

固まったらいらない部分はカッターで切ったり、サンダーで削ってサフォームします。

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まあ。こんな感じ。これでいいのです、パテの載せる台が欲しいからです

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上からファイバー入りパテをべっちょり載せて形にしていきます。

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粗く削っていきます。部分的に発泡ウレタンが顔を覗かせています。

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高い部分やいらない部分を削り、実車に当てて取り付けを確認しつつ再びファイバーパテを塗ったくります。だんだんブッシュドノエルみたくなってきました。

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ブッシュドノエルを研ぎ落したら、そろそろパテの目を一つ上げて、中間パテで、整形していきます。

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もう大部分出来上がってきましたので、ポリパテにします。しかし、形が大変にデコボコで、均等にパテを塗るのが難しいので、お菓子にはスプレーパテを使います。

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この頃には最終的な実車とのフィッティングを見ておかないといけません。

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スタンドックスのポイエステルスプレーパテです。主にサンドペーパーの目消し、巣穴の除去が目的の商品です。

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これをSATAのKLPCというポリエステルフィラー専用のスプレーガンでズビビ~と吹いていきます。

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だいぶお菓子っぽくなってきました。

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IRでガン焼きです。気を付けないと溶けてしまいます。ちょっと目を離すと90℃くらいになってしまいます。

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素焼きの陶器みたくなってしまいましたね

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研いで研いで、塗装前仕上げのサフェーサーが入りました。

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うーん長い旅路。いつの時代でもワンオフは大変です。

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そのうち取り付け編も書ければいいなあと思います・・・

2018年10月 3日 (水)

涙くんさよなら

仕事をしている上で、一定のクレームはやむをえないとは思います。
もちろん防止できるものは防止し、日々工夫や心がけで撲滅しなければなりません。
それでも、思わぬところから食らってしまう。そんな話です

今年の春にかけて修理した117クーペ

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この修理の際に幾度となくサフェーサーや塗装を焼き付けたわけです。

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ところが途中で、外に出していないにも関わらずなぜホイールやタイヤが汚れていくのだろうと不思議に思っていました。
そんなある日、気付いてしまったのです。ホイールの汚れではなくてメッキが浮いていることを。

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これは、アルミ蒸着メッキと呼ばれるもので、分かり易く言えば、本来メッキができないような素材に対して、メッキ曹に漬ける事無くメッキができる便利な技法です。
しかし対して、施工方法から熱に弱く、また耐久性に多少の難があり、下地の作り方で仕上がりや耐久性が決まり。塗装メッキなどと揶揄される所以です。

アルミ蒸着メッキは、以前、アルファロメオ155のグリルの枠、そこだけメッキのアレです。あれを商品化しようとして調べたところ、あまりに耐久性が低い為に諦めた過去があったので、よく知っていました。それなのに、今回気づかずやっつけてしまうとは、なんと情けない・・・

今回の場合、塗装を焼き付ける際に、72℃で焼付けする時に、メッキで使ったアルミが溶けてしまい、下地の黒い塗料が見えるようになったと思われます。

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僕ら修理業者はお客さんの自動車が何か問題が発生した場合に備えて、自動車管理者賠償保険なる、専用の(自動車)損害保険に加入しています。
今回のように、塗装の際の高温で溶ける程度の耐久性に大いに疑問を持ちつつも、引き受けた元請け、ましてユーザーがこの費用を支払うのもスジではありません。
結局、ウチが泣くことになるのが自然な形かと思い、自管賠を使うことにしました。

ところが。まあ、皆さんもご存知の通り、損保会社は入ってもらいたいときはあれほど愛想を振りまいてお願いされるのに、いざ、何かあった場合はなんとかして払わないようにする理由を見つける、本当にドイヒーな方々です。

今回も高温によって溶けたことには払えませんと突っぱねられてしまいました。
火事で溶けたら払えるんですけどねぇーって言ってました。

ははは、こりゃ一本取られましたな、じゃあ、本当は火事で溶けたんだと言ってももちろん信じてくれませんでした。
ちなみに、今回の台風や地震ような災害にあっても出ませんので、同業者の皆さんは御注意ください。
神戸でフェラーリが水に浸かってしまったのがどうなったか、少々気になりますが、こちらはそんなこんなで、自費で修理を進めて行く運びとなりました。涙

はらはらとムケて剥がれる塗装はサンダーで削ることもできません。
ここはいつもの日本ブラスト加工研究所 さんでサンドブラストを当ててもらい、費用はかかりますが、キレイに研磨と足付けを行ってもらいます。

キレイになって帰ってきたホイール。クロモドラはマグネシウムホイールなので、上から普通には塗装できないので、エッチングプライマーを入れて塗装します。

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余談ですが、MPIを作る前は、いすゞの古い乗用車を扱う、いすゞスポーツにいたわけですが、その時代、25年前は今のようにネットもなく、安いアジアン工具もありませんで、サンドブラストキャビネットは高値の華でした。

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しかし、弱者にはお外でやりっぱなしの環境破壊行為の、直圧ブラストなる方法がありました。
それはハコの中でやらず、屋外で粉やカスを撒き散らしながら行うものでした。
本来なら大きな部屋の中で、人間が入って作業するものなのですが、それを知らず、大自然の中で、マスクもつけないで行っていました。
すると、夜になんだか咳が長く出るんですよね・・・ 恐ろし

で、ブラストの機械は高いが、タマは安かったのですよ。
サンドビーズは、当時は近くにノリタケカンパニーが扱っていて、近くに狭山営業所があって、簡単に買うことができました。ノリタケカンパニーとは、国産高級陶磁器、食器を作るメーカーで有名ですね。

もちろん粗さはサンドペーパーと同じく番手で決まっています。当時は確か、180番と80番を使っていたと思います。

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面白いように取れるので、最も目が粗いのは何番ですか?と聞いたら「確か5番とか7番がある」と教えてくれて、80番であれほどすごい研磨力を持つのだから5番とかなら、とんでもない掘削力が期待できるに違いないと注文したら

ちょっと小さなピーナッツのようなヤツがやって来ました・・・・
印象としては、今で言うストライクイーグルのハニーローストピーナッツの小さいのみたいなやつです。

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ブラストすると、ガンにも振動が伝わりペッペッとピーナッツを出しているが分かります。
しかし、その部品に当たって跳ね返ってくるピーナッツの痛いこと。それも粒がでか過ぎて大して塗装もはがれず、がっかりした思い出があります。

さてだいぶ脱線しましたが、今回のアルミ蒸着メッキは神村メッキさんでお願いすることになりました。
ここのホームページは実に分かり易く作ってあって、対応も丁寧です。

このHPにあるとおり、下地までがっちり仕上げれば、先方にも負担がかからず、こちらも費用が圧縮できてウインウインです。

それで出来ることは自分で、と言うことになったのです。

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こんな感じで黒を塗って、つるんとした下地を作れれば、メッキはキレイに仕上がりそうです。

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がっちり下から、スタンドックスのシステムで仕上げているので、剥離などの心配もなく実に信頼できる状態です。これでメッキ屋さんに送ります。

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待つこと2週間。美しいホイールとなって帰ってきました。

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もうこれで、心配なしです。次からは気をつけて作業しよう。

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多額の費用がかかって泣きそうでしたが、仕上がりを見れば涙くんさようなら

2018年9月 5日 (水)

内装のベトベト退治

166に限らず、ユーザーを悩ますベトベトさん。

実に面白いのが、166は年式によって、べとべとが出るところが違います。
いや、内装色によってなのかも?

これも部品によって違うので漬ける液体が違うのも、面白いのですが

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専用の薬剤で表面を浮かせます。

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何度も繰り返し落としていきます。

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やがて殆ど脱皮して、黒い素地になったら出来上がり。根気の要る作業です。
肌が弱いと、バックスキンのように荒れます

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続いて、これら部品は塗装に回ります。
まず専用のプライマーを吹きまして

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これら車内色は濃い色と薄い色の2トーンカラーなので、別々に塗装します。

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↑がこんな感じになります。ドアグリップは成型色が最初からベージュなのと黒とブルーグレーと3種類あります。

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これらはブルーグレーのプライマー色なんです

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ライトで見ているのは穴の中やヘコミの中が完全に染まっているか確認しているのです。

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これらの部品を焼き付けたら、全部片付けて、次は白っぽい色を塗装します。

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こちらは主に大きい物です。当然、ベトベトを処理してからの塗装です。
まず、プライマーを吹いて

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カラーを塗装します。

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これはリアパーシャルシェルフのフタです。

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それら子部品が塗り終わったら、最後の大物、いや大物の中の小物
内装の一部なので、分解できず、車内で塗装します。

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これだけのマスキングをするのは数時間かかります。

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それなのに、塗るのこれだけ・・・

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難儀な商売です。
でも、これで、極悪非道のベタベタからさよーならーです。

2018年7月21日 (土)

暑い夏はエアコン故障にご用心

今日は暑かったなあ。本当は仕事内容も熱かった。
現在工場の中にあるクルマはどれも修理が終盤を迎えて、電話が少ない土曜日に集中して一気に追い込んでしまおうと・・・・

しかし、その気概に待ったをかける一つの要因が気温です

もうすぐ44℃に手が届こうとしています。屋内なのに、外の方が涼しいかも知れない。

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今日を遡る事6ヶ月前、この50℃近く温度が違う中で仕事をしておりました。

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詳しくは↓
http://messiah208.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-6919.html

さて、こんな日はどのクルマもエアコン全開なハズです

自動車に限らず、エアコンを使用している際に、車体下側にじゃーじゃー水が出ているのを見ますが、あまり自動車に詳しくない人など、水が漏れていると勘違いして、僕の所に持ってくる方もいらっしゃいます。

その逆にあまりエアコンが効いていないように思うと言う人もいます。
そんな時に自分のクルマはエアコンが効いているのかいないのかを、専用工具を用いないで判断する方法を説明します。

まず、先に書いたとおり、自動車下側に水がぼたぼた、この時期ならじゃあじゃあ出ているか?
これは水の量が多いほど良いと思います。

水が出る原因は、このエバポレーターです

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エキスパンションバルブで液体から期待になって出来る気化熱(温度が下がる現象)をファンですくい取って、車内に冷たい空気を満たすのです。
稼働中はうっすら凍っているかのような雰囲気になります。外気が極端に暑いので、その瞬間的に凍りかけのエバポレーターには、はるかに高い、外気や車内を循環する空気がファンで当てられ、その氷(結露)が溶けて車体下側に放出されるのです。

もし何らかの理由で冷やしきれないと、このエバポレーターに付く氷や、結露が少なくなり、車外に放出される水の量も少なくなると

つまりエアコンは効いていないとなるのです。

もひとつ見分け易いものに
エアコンの配管もあります。

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家庭用のエアコンはこのパイプを見せていないので分かりづらいですが、一度液体から気体になったエアコンガスはコンプレッサーで圧縮して、コンデンサーで冷やすと再度液化します。なにしろコンプレッサーで圧縮していますから、かなり高圧になっています。
その際にガスはかなり温度が高くなります。

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上の画像で太い方が低圧パイプで気化したガスが通る道。細い方が液化したガスが通る高圧パイプ。

エバポレーターで気化したガスをコンプレッサーが引き寄せ、その冷たいガスでコンプレッサー本体も冷やします。
逆を言えばこの太い方の低圧パイプには冷たいエアコンガスが通るのでパイプ自体も冷たくなり、汗をかいたようにぬれています。

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これを触って冷たければ、エアコンは間違いなく効くはずです。

結局、エアコンのサイクルではしっかり冷やせているはずなのに車内が暑い場合はそれ以外に原因があることが多いです。

トップに来るのはエアコンフィルターでしょうね。フィルターが詰まり風が多く出せない場合は車内は暑くなります。

あとはブロアファンが回らない。ヒューズ切れ、リレー焼け、ファンレジスタ焼損などがメジャーどころです。

まずは立ち止まって、どんな状況か教えていただけると、修理する側は助かりますね

あ、そうだ、本日電話頂いた川越市近くにお住まいの147にお乗りのお客さま、頂いたメールアドレスに返信ができません、そのうち返信可能なメールアドレスを頂けると助かります。

2018年6月28日 (木)

ミクロの決死圏

エアコン修理の166ですが、リモコンキーが壊れていたので修理します.
画像は全て虫めがねを通して撮影していますので、少々見にくいです。

当初はスイッチの剥離かと思っていたら

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ひとつ抵抗もダメになっていました。何が面白いって、2つの2kΩの抵抗が並列でくっついていました。この大きさで・・・・

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矢印の部分に小さな抵抗が入ります。4kΩの抵抗が必要です

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部品取りの基盤を用意して

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取り外した所で電話が来たら、鼻息ですっ飛ばしてしまいました。

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もう一個外してきて

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超ちっさいです

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根性で実装です。

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ちなみに、カギを割ったところ、向かって左側の丸いのがボタン電池。2個使ってます。
ぼの左下の黒っぽい横長の物体がイモビライザーチップです。

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作動も上々ですよ。
ひとつひとつ丁寧にテスターを当てればやがて原因にたどり着きます。PICはほとんどダメになりません。PIC便利ですね、スズキさん。155、もう少し待っててくださいね。僕のPICライターどこに行っちゃったかな?
押す部分も中古ですが交換しました。これでしばらく安泰でしょう

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ちなみに今回の実装基板の抵抗の大きさ。1mmくらいです。

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ちなみにこういった作業に不可欠なのは拡大ゴーグルです。
イメージとしてはこんな感じ

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僕はコレを使っています。結構前に買ったのですが、その時は結構良い値段したのですが

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アマゾンのぞっこくと、今は良いのがありますねえ。

換えレンズがついて3000円弱とは・・・

2017年11月 2日 (木)

集中攻撃

自動車整備で切っても切れないのが、嵌合(かんごう)の切り離しです。
最近は、エコの関係から、重いビスを使わず、全てプラスチックのクリップや嵌め殺しの仕組みで部品が止めてあるケースがほとんどです。
基本的に分解する事を前提にしていない造りなので止まり方はガッチガチです。

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こりゃいらなかった・・・


嵌合具合や、動かしたときの部品の動きでボルトで止まっているのか、プラスチック同士で固まっているのかある程度判ります。 特に、ごく最近のものは金属並に強く嵌合しており、ボルトなのかクリップ(嵌合)なのか解らず最早 破壊ベースで挑まないと外れないような仕組みになっております。

で、そういう場合はどのように外すかを、こっそり大胆に教えちゃいます。

丁度、作業中のGプントのミラー、こちらはミラーのカバーだけの部品供給もありますが、まずは塗装の為に外さねばなりません。

しかし・・・ がっちりはまって付け入る隙がありません。
そんな時はひたすら、薄いヘラがうまく刺さる所を探し続けます

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うまく探し当てたら、なるべく深く差し込みます。ヘラの先端がしっかり入っているのが見えます

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そうしたら、その隙間に入りそうな所に全勢力を投入します。

ちなみに今回使うこれらの工具は誰でも購入できますよ。ちなみに似たような工具はいっぱいあるけどKTCのでないとダメなんです


1か所、隙間が見えたら、全ての力を注ぐのが特徴なんです。

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で、横に移動すれば、あら不思議。

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ぱっかーん。

まあ、必ずしもうまく行くとは限りませんが・・・
試してみてください。

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