最近、アイドリングストップをしないという相談をよく耳にします。
今日の自動車は厳しい環境基準を超えるために乾いた雑巾を絞るように、あちこちに工夫して燃費を良くするよう考えられています。
アイドリングストップや充電制御、V型エンジンであれば片バンクだけで走るなど各社躍起です。一方で各国大手自動車メーカーなどではもはやインチキまでして燃費データを改ざんしたりと、ハードルの厳しさを物語っています。
まずはそのアイドリングストップ。
意外なほど、ストップする条件が必要です
以下はホンダのサイトからの抜粋。
おおよそ他のメーカーも殆ど同じ条件と思って間違いないでしょう
アイドリングストップしない条件を教えて。
■アイドリングストップしない条件/タイミング・運転者がシートベルトを着用していないとき
・エンジン冷却水の水温が低いとき、または高いとき
・トランスミッションフルードの油温が低いとき、または高いとき
・エンジン始動後、5km/hに達しないまま停車したとき
・急な坂道で停車したとき
・セレクトレバーをD以外にしているとき
・ボンネットが開いているとき
※ボンネットを閉めてからエンジンを再始動してください。
・バッテリーの充電量が少ないとき
・バッテリーの内部温度が5℃以下のとき
・外気温が-20℃以下または40℃以上で、エアコンを使用しているとき
・エアコンの風量が多いとき
・エアコンの設定温度がHiまたはLoで、エアコンを使用しているとき
・(フロント)デフロスタースイッチがON(表示灯点灯)のとき
□アイドリングストップしないことがある条件/タイミング・急ブレーキをかけて停車したとき
・ハンドルを動かしているとき
・標高が高いとき
・低車速で、加減速が繰り返されるとき
・エアコン使用中で設定温度と車内の温度差が大きいとき
・シティブレーキアクティブシステムが作動したとき
世の中の多くの人は自分の経験則でしか物事を測ることができませんが、自動車は驚異的な進化を遂げています。
特に輸入車は日本よりもさらに厳しい環境基準をパスするために徹底して管理されているようで、バッテリー交換後は放電電流積算値をリセットしたり、バッテリー交換後に診断機を接続してリセットをかけないと、アイドリングストップをしません。
また、日本の道路事情を無視するような厳しい充電制御が行われていて、チョイ乗りをする自動車の使い方だとなかなか充電されません。
海外のクルマはエンジンをかけて、3-4キロ先のスーパーに行くのに、何度も信号や一時停止、果てはすれ違いまでに殆ど5km未満まで速度を落とし、目的地に着くなんて想定をしていないのです。
充電制御の自動車は、走り始めて加速中は燃費を伸ばすために充電はほとんどしません。また、アクセルを放して惰性で走っているときに、発電させるとみるみる減速してしまい、アクセルを多く踏む原因になるので、減速中に思いっきり発電させてバッテリーを充電させるのです。
で、自動車の用途が近所の駅に送り向かい、あとはスーパーへの買い物が主
なんてクルマは圧倒的にバッテリーが痛みます。
すると上の条件の
・バッテリーの充電量が少ないとき
に合致してしまい、アイドリングストップしなくなるのですね。
さらに、近所までの使用が多いと、自動車はエンジンをかけても、行き先までは分かりませんから、エンジンの温度がやっと上がり、ATF温度が上がった頃に家の駐車場に戻ってきてしまうのです。バッテリーは充電されず、放電ばかりで痛むだけで済めば良いのですが、最終的にバッテリーがダメになったります。
基本的なプログラムの書き換えや、オルタネータープーリーの径を小さくするなどが対処法ではないかと思います。
皆さん、口々にこんな(アイドリングストップ)機能いらないと言って、スイッチをオフで使う方が多いですが、誰が望んでこういった機能を付けるのでしょうかね?