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2018年3月 3日 (土)

フェラーリの塗装 仕上げ編

先日、2月28日の記事でクリアーまで塗装したフェラーリですが、ミラーフィニッシュなんて言いますが、鏡面仕上げを目指す為に再度クリアー塗装をします。

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以前にも書きましたが、ここ20年くらいのクルマの塗装は環境問題から、さまざまな塗装技術が用いられ、紛体塗料やウオーターボーン、いわゆる水性塗料でのフィニッシュとなり、決して美しいとは言えない外観になっています。

塗装肌をメルセデスのW126時代のような、昔のように美しい滑らかな大きい肌粒は加工することで再現は可能ですが、キレイな塗装面をあまり艶の無い小さな肌粒の塗装面に変える事はできません。

そこで、クリアーで塗装した肌をもう一度サンドペーパーで研磨して肌を整え、再度クリアーを塗るのです。

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塗装跡があるのにサンドペーパーが当たってつや消しになっています。これが再度クリアーを塗る作業の証拠です。
この作業かなり大変なんですよ。なにせ、一度マスキングした塗装物に再度サンドペーパーをかければ水やホコりが隙間に入ります。そこをうまく処理しながら作業するので倍の時間ととんでもない集中力、忍耐を要求されます

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いざ、塗装します。

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クリアーは長きに渡り実績のあるクリスタルクリアーを使います
クリスタルプロクリアーなる別商品もあるので紛らわしいですが、品質の上ではこちらが上です。

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そして極端に硬く、強烈な鮮映性能を誇るHSハードナーの組み合わせ

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昔のHSハードナーは少し着色があり、また使いづらい側面がありましたが最近はかなり使い易くなってきました。
主剤つまりクリアーと3:1の割合で混ぜ合わせます

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大きい面で塗装する時、季節の変わり目など、目では見えない塗料の状態をこのDINカップで落ちる早さを計測することで可視化して、塗装の際のガンスピードなどに反映させます。

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この時期(2月半ば)だったのですが、1月より少し早いくらいです。25秒くらいは1月より少し柔らかめです。

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塗装面は前回と同じ21℃に設定

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クリアー塗装は僕ではなく本業に任せます

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この大きさの被塗装体を2回だけのクリア塗装で仕上げるには、ものすごい高度な技術が必要です。同時に塗装技術者は流れないギリギリの線まで載せますから、激しい疲労とストレスがかかります。
それには信頼性の高いガン、材料、設備と可能な限り条件を整えることで支援する事も必要です

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塗装物は端々までしっかりクリアーが載ってないといけません

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Done!

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しっかりした肉持ち感です
表面張力でパネルのエッジにはぷっくりとふくらみができます。

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なんだか航空機に使われるような材料も使われているようなので、焼き付けは60℃で25分ほどあぶります

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美しい鮮映性です。奥行きのある美しいクリアー仕上げとなりました。

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ただ、これでも終わりではなくて、フェラーリや一部の高級車はメーカーのラインを出る前に、メーカーのラインで磨き倒されているので、さらに肌調整が必要なのです。
隣接するパネルに合わせる為に、マスキングの一部をはがして肌を見ます

塗装にちょっと詳しい方や、この職業に従事した経験のある方なら、磨くのだったら、クリアー何度も塗らなくてもよくね?となりそうですが、磨かない部分もありますし、やはり、最終的な出来上がりの状態にはかなり違いがあります。

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再びサンドペーパーをあてます、1500番から3000番で、その後ウールバフ、スポンジバフと2回種類のバフで極細コンパウンドから微粒子コンパウンドと3回りほど回って仕上げます

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ルーフは磨くと危険なので殆ど磨きません。それでもこの映り込みです。

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陽の光の下で見てみます

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美しい仕上がりとなりました。
このようにただ塗装をすると言う事から少し離れて、工場出荷状態に近づけると言う作業プロセスは、仕事に幅を持たせると言うか、顧客の望みに近づけることで仕事の選択肢を増やす事につながります。
どんな仕上がりにするべきなのか? 顧客が求めている事の具現化は提供出来ているかを考える良い機会になりますね。
おっと、ちょっと大風呂敷きを拡げ過ぎました。

次は組み付けの遠い道のりを歩んでいきます。

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