新しい工具と工賃の話し
これ、バルケッタのエンジンマウントのボルトですが、普通のトルクスとは似て非なる物です
トルクスプラスなる規格で、普通のトルクスとは違い少し大きいのです。
一応55なる大きさはトルクスの呼称と同じではありますが
普通のトルクスソケットで強いトルクスをかけたら、たぶんボルトが壊れてしまいます。
でもトルクスプラスであればやっぱりボルトのハマり具合もがちがちで、いかにもトルクがかかりそうでした。
ちなみに↓の画像は上がトルクスプラス、下が普通のトルクス。
大変似ていますがボルトに当てるとまるで違います
元々、+のネジは一定のトルクがかかるとカムアウト(ドライバーが溝から外れる)して必要以上のトルクはかからないようになっているのですが、トルクスはさらにトルクがかけられるのです。
そこにさらに強力な力がかかるのは、トリプルスクエアとか、このトルクスプラスです
アルファロメオなんかでも出てきます。ドアの内装とかですが。
しかし整備する側は、都度、工具を買い揃える必要があるので、たいへんです。
スナップオンで揃えるなんて言うと、ひと財産になってしまいます。
そもそも自動車専用工具は多岐に渡り、数多くの工具が必要です。
普段何気なく使うリフトだって、この通り
それゆえ、設備投資は莫大で、経営者には設備投資に対して工賃売り上げが生命線です。
これはフレーム修正機が450万円なのではなく、フレームのダメージを計測する装置が450万円なのです。ちなみに修正機本体は
580万円です・・・ これでも小型の廉価版だったりします
ところが今日、常に工賃はないがしろにされ、あくなき工賃の安売りが続いています。
アルファのV6のタイミングベルトの費用などもそうですね。
工賃を取るのが悪のように。
僕らは1時間あたりいくらと言う、対応単価と呼ばれるレイバーレートが決まっていて、少なくとも僕がMPIを開業した20年前から、全く上がっていません。諸物価を考えればある意味そういうものなのかもしれませんが。
人が働く費用は大事なことだと思います。何事も安さを求めればどんどん限界に向かって安くできるかもしれません。しかし、それを繰り返すことで自動車業界は疲弊してしまいました。
でもそれはやがて社会全体に蔓延して、最後には働く皆さんにも災厄が及ぶかもかもしれません。
でもないか・・・・
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