エアコンの不調の相談で入庫した156GTA。
エアコンガスを足したらすごく冷たい風が出たと記事にしました。
http://messiah208.cocolog-nifty.com/2/2019/04/post-c994.html
しかし、その晩、いろいろ考えてしまいました。あれだけ圧力が上がっているのにガス不足とはあり得ないと…
ユーザーの訴えでは最初のうちはガスを足せば効いていたが、最近はガスを足しても1か月と持たずに聞かなくなると
でも、ゲージの上では普通にコンプレッサーが圧縮をはじめ、低圧が下がり高圧が上がる。やがて電動ファンのスイッチが入り
高圧が下がる。
にも拘わらず、パイプはそれほど冷たくならないまま。
ガスが少なくなれば、圧力スイッチが感知してコンプレッサーのクラッチの接続を止めさせるはず
どう考えてもコンプレッサーが怪しい。
そこで、一度ガスを全部抜きます。
寒の戻りで結構寒い日、ガスは不活性。
低圧高圧共に3Mpa弱
ガス回収機で全部抜いてしまいます。
返す刀で真空引き。ずんずん吸ってもらいます
このままの状態で、この日は病院で定期点検に行きます。
低圧も
高圧も
病院行って, MRIなる電磁の壺風呂に入って、宇宙戦争のようなサウンド聞かされて、帰ってお弁当食べて、休んで約4時間。
全くゲージに異常が見られないことがわかります。素晴らしい結果です。1か月を待たずして抜けてしまうなら、おそらく、真空引きしてもゲージの針が戻ってしまうはずですが、全く戻らないところを見ると、やはり僕の見立て通りコンプレッサーが原因のようです。
ではなぜ、エアコンのスイッチを入れるとゲージが動いたか?
おそらく、気温が低いからだと思います。一定の条件を満たせば、ある程度の圧縮はできるのかもしれません。でも完全な壊れかけで、
自分の力で圧縮はできず、ガスを足して圧力が高くなって、勝手に冷媒が回るようになって、冷えている感じになったのでしょう。
きょうのように暖かな日であればおそらく冷たくすることはできなかったと思います。
ここは思い切ってコンプレッサーの交換に踏み切ります。156は166と違い、エンジンマウントがぶら下がりやりにくい印象です。
例のエンジンマウントです。
http://messiah208.cocolog-nifty.com/blog/
しかし、このクルマ、どこのボルトも信じられないくらいボルトが硬く締まっています、おそらくは北国にあった時期があるのでしょう
テンショナーを取り外したかったのですが、この15mmのボルトが折れそうだったのでやめました。その分やりにくい事この上ない
コンプレッサーの下にはパワステやエアコンの配管が縦横無尽に走ります。
でもコンプレッサーは取り出しやすいように作ってあります。
ちなみにコンプレッサーの上にあるパワステポンプは、よく見なかったけど ひょっとしたら、このコンプレッサーを外して脱着するのかなあ
外れたコンプレッサー。毎度おなじみサンデンSD7V16
そして新人は? リビルドじゃない新品です 当然Oリングも新品。オイルも封入済み
ちょっと遊んでみたり
真空引き大会。引いて引いて様子を見ます
全く同じなハズですが、ほんの少し違いがあります。かぷらーのブラケットの穴位置が違って
コネクターに通すことができず、タイラップに変更
さてこの状態のまま帰ります。ただいまの時刻、夜の9時半。さてさて明日はどうなっている事やら
明けて翌日のお昼前。12時間以上置いても全く戻りなし。
あ、ここから、ゲージがロビンエアのものに変わりました
ちゃんとしたマニホールドゲージ欲しいなあ。日本の市場には安い台湾や中国製と、国産のデンゲンのものしか見当たりません。
もう中華製造はいらないんだけどな
一気にガスまで入れていきますよ。元気よくコンプレッサーは圧縮を繰り返し、電動ファンも心なしか軽やかに(笑)
冷気は強烈です。氷点下です。
センターの吹き出し口でも0と-1℃を行ったり来たり
これで、ご家族が乗っても安心ですね。良い夏が過ごせますように
しかし、コンプレッサーで多い充填不良の多くがワンウエイのコントロールバルブの不良により
圧縮しても高圧側に送れず、低高圧ともにガスが動かないケースです
コンプレッサーの仕組みは↓を参照してください
http://messiah208.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-8b57.html
これがコントロールバルブ
今回は圧縮そのものがよくないのかもしれません。
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