狭小なパネル内でのシルバーのぼかし塗装
先日もご利用いただいた147、今回はラジエターからの冷却水漏れを作業するオーダーですが、一緒にフェンダーのへこみも作業することになりました。
今回もシルバーの塗装です。今回の内容はマニアックな内容の為に、一般の人にはつまらないかもしれません。
比較的、手が入りやすい場所なので、当て盤とハンマー2種でぺたんぺたんハンマリングして対応し、最小限のパテでならします。
またベンディングエリアを少しでも多く取る為にパテやサフェの研磨も制限付きです。
サフェーサー吹く前にはフィルプライマーを入れてから4:1のサフェーサーを入れて塗装膜強度を上げます
サフェーサーはハイビルドタイプのVOCシステムフィラーです。願わくば下地にはEPプライマーを入れたいところでした。
塗装膜の劣化が無い為に、金属素地にはフィルプライマーを入れてウエットオンウエットでサフェーサーを入れます。
色は当時イタリアで最も人気があったと教えていただきましたスターリングシルバー。
かなりメタリック目が粗い、青いシルバーです。
少し時間帯が遅いですが、カラーマッチングとしては悪くありません。データ通りで塗装します。
夏になると調色時間が増えて良いですね、冬より黄色味も少ないように感じます。
ただ、なにしろ今年は雨が多く、なかなか調色させてくれません。
最近のスタンドックスの実車配合は本当にレベルが高いです。
でもアクワイアー調色機にかけただけのデータだったらどうしよう(笑)
なんてアナログなMPI(涙)
今回はパネル内で塗装します。こういったスポットでの塗装が実は一番難しいのです。
特に目の粗いメタリックは非常に難しい。
ガンは使い慣れたJet5000HVLP
ミストコントロールのカラーレスクリアを全体に塗装
1回目を塗装していきます。
何度も塗り重ねていきます。
途中で、再びカラーレスを投入しながら
塗装すること6回スタンドックスはシルバーのとまりが悪いのですわ。
7回目でメタリックのぼかしを集中して行います
フェンダーマーカーの取付穴に塗料が載っていないので、ここより前でぼかし終えているのがわかります。
全体の隠蔽を見て、透けてなければベースコートは完了です。
隣接するパネルがブロック塗装にならぬよう、またぼかした部分が判らぬようしっかりぼかします。
上側は全く塗料の飛沫がありません。
フェンダーのバンパー側も完全に染めないで半分くらいでぼかしてあります。
クリアーを入れていきます。
これでOKです。
こうしてパネル内だけでぼかした経済的な例ですが、必ずしもこのようにできるとはかぎりません。
むしろ1パネル内で終わる方が珍しいです。特にあまりプレスラインの無い最近の日本車のようなパネルは、1パネル内で終わらすのは難しいでしょう。
また、塗装ブースではたとえ1パネルでも車体全部を覆います。副資材の消費は大きくなりますが、間違いのない仕上がりにするため惜しんではいけません。
クリアーはエクスプレスプレミアムをMSシステムで
グランドコートは694のH(明るい)配合だけ塗装しました。
焼き付けは70℃20分。予備乾燥は30℃5分でした。本日は気温が20℃あるかないかだったので、シンナー、ハードナー共に標準を選びました。
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やっぱしとても勉強になります。さすが、相変わらずスタンドックスめっちゃ使い慣れてますね。 パネルのぼかしのお手本のような書き込み、でもシルバー6回ですか・・・。
次男が購入したホワイトパールのタイ製マーチを見て、車が軽自動車より安いのに、パネル凹ましたら修理大変だろうなと素人ながらに思ったのは、私に少しだけ自補修に携わった過去の経験があるからでしょうか。 なんで日本車ってポリシーが無く、安い車に有機溶剤をいっぱい発するパールとかするのかなんて思う今日この頃です。
投稿: スタンドックス宣教師(元) | 2019年6月18日 (火) 09時18分