昨年、車検整備を行ったバルケッタとメルセデスが立て続けにバッテリーがダメになったと1月に連絡があったのですが、なかなか行けず、結局2月末になってしまいました
ちょっと見慣れぬ風景を横目にお客さんのところに向かいます。
なにしろわずか2-3か月前にバッテリーを交換して、バッテリー上がりですから,、心 穏やかでありません。
でも、プーも鳴らないほどがっつり放電しきっていたそうなので、たぶん何かつけっぱなしか、何かの装置に電気が流れっぱなしになっているかだとは思っていました。
さっそくバッテリーを交換します。
バッテリーが最初から不良の場合、短い時間で、まるっきり電圧が上がらなくなっても10Vくらい残るものです。むしろ交換から時間がかかっていないのに、10.5Vとかしかないなんて事になると、バッテリーのクレーム交換が見えてきます
交換直後の電流値です。0.5Aもあります。12Vx0.5Aは? 6W、これはつまり・・・
やっぱりー。犯人はこいつです。
消すとやはりこうなります。でも0.84wは消費しているのです。つまり、全く何もしなければやがてはバッテリーがあがります。
で、取り換えたバッテリーとシステムをチェックします。でないと、帰ってから「直ってねーぞー」などとそしりを受ける元凶になります。
規格570CCAに対して608CCAです。全く問題ありません。サイコーであります
続いてシステムの点検。
クランキングが重くなることなくパワフルに回ります
小負荷での発電もいいですね。
オルタネーターで起こした交流電気をレクチファイアで直流電気に変える際に発する交流ノイズがリップルです。ダイオードの健全さを表すものと考えてください。
あれこれ電装品のスイッチを入れてもしっかり発電。
これにて作業終了です。再び眠りについてもらいます。
一方、メルセデス。
同一のユーザーのクルマが2台ともバッテリーが上がる珍しい事例です。
これは昨年2月ころに車検をして、その後、乗らずにいたらバッテリーが上がってしまったと。ご自身で交換する話だったのですが、なかなかやれず、今回一緒に交換するということになりました。
このブログをご覧の諸兄のみなさんも、よくそういう話しません? そのうち自分でやるよっていう方、実践できている方はほとんど見たことがありませんよ(笑)
エアコンの外気取入れ口にあるフィルターを外すとバッテリーが見えるようになります
しかしこのとてつもなくやりにくい、タイトなスペースに鎮座する巨大な100Ahのバッテリー25から30kgくらいあります。腰を言わせます。
額に汗を浮かばせながら、本当にヒーヒー言いながらどうにか入れました。
さてこちらもテストを・・・
乗り込んでキーをひねるとエンジンが始動しません。
スターターが回らないのです。
ここで一般的に考えるのがインヒビターです。
インヒビタスイッチはPやNのギアの位置で、エンジンがかかってしまうとそのまま走りだしてしまい、危険なのでPとN以外ではエンジンをかけぬようにする装置です。いやあ、診断機持ってきててよかったあ
しかし、このメルセデスにはインヒビタなど旧式のものは使っていないのですねえ。
カギ、電子キーなんても言いますが、セキュリティからインヒビタまで受け持っているのです
診断機にはわんさとトラブルコードが入ります。
みんなCAN信号のエラーのようです。
このころのW203は低速のCANラインのみで多くのモジュールをつなげており、各モジュールは、BASやABSやME、kIなどすべてのモジュールにCAN信号を打って、各モジュールから持って帰ったデジタル信号で異常なしと判断するのです。
で、その情報は各モジュールでも共有しており、1つのモジュールから信号が帰ってこないと、このように各セクションが帰ってこないCAN信号を心配して、このようなスレッドが複数くわえ込むのです。
で、各信号はP202Bから始まるコードはイグニッション系だそうです。
こういった出先で故障コードが調べられるのは、実にありがたいです。
よく、ヤフオクなどで、診断機の並行輸入品が激安で売られていますが、実はこの技術サポートが重要なのです。
問題なのはこの故障がどこに原因があるのか?です。
EZS、つまりカギのコントロールだけでは済まなそうなのですよ・・・
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